狂犬病、アメーバ赤痢、デング熱、破傷風、そしてA型肝炎とB型肝炎ですね。
フィリピンの薬品会社によりますと、今から約10年前のフィリピンにはB型肝炎の感染者が約800万人いたようなのです。https://www.eisai.co.jp/news/news200907.html
フィリピンでは、A型肝炎もB型肝炎も気をつけなければいけないのですが、A型肝炎とB型肝炎の違いと症状を記載致します。
まずは、感染経路ですがA型肝炎は経口感染(汚染された飲食物の摂取による経口感染)でB型肝炎は血液感染(輸血、血液製剤、注射針、出産時の母子感染等)です。
フィリピンで、未加熱の野菜や魚介類(特にカキ)・生水の摂取、屋台での飲食を避けるアドバイスをするのは、下痢・食中毒、アメーバ赤痢のみではなく、A型肝炎になる可能性もあるからなのです。
症状はともに、倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、関節痛、頭痛、黄疸等の症状があらわれます。
一般的に、A型肝炎の方が症状がひどく劇症化(肝臓の炎症が非常に強くなり、肝細胞のほとんどが死んでしまう)し、重症化することもあります。
B型肝炎はA型肝炎に比べまして、症状が軽いのですが、感染した時期や感染時の宿主の免疫能によって、持続感染する場合もあるのです。(以前はB型の急性肝炎にかかっても治癒したらそれで完治と考えられていましたが、B型肝炎ウイルスの遺伝子は肝臓内に一生残ることが最近になってわかってきたのです)
現在はないと思いますが、私がフィリピンに初めて来た2008年頃はフィリピン人の患者さんはフィリピンの医療機関、医師、看護師を疑っており、血液検査の時などは使い捨てかどうかよくチェックをしていたのを思い出します。実際、注射器の連続使用で多くのフィリピン人がB型肝炎に感染したのです。(バーで感染した男性も多いと思います)
日本でも、昭和23年から昭和63年までの間に受けた集団予防接種等(予防接種またはツベルクリン反応検査)の際に、注射器が連続使用されたことが原因でB型肝炎ウイルスに持続感染した方が最大で40万人以上とされているのです 。
フィリピンと違うところは、日本では集団予防接種とB型肝炎ウイルス感染との因果関係が認められた方(以下4条件を満たす方)には、給付金等が支払われるのです。
1.B型ウイルスに持続感染している方
2.満7歳になるまでに集団予防接種を受けた方
3.昭和23年7月1日から昭和63年1月27日の間に、集団予防接種を受けた方
4.集団予防接種以外の感染原因(母子感染・輸血等)がない方
しかし、給付の対象かどうかの認定は、裁判所において、救済要件に合致するかどうか確認するので、この給付金を受け取るためには、国を相手とする国家賠償請求訴訟を提起しなければならないのです。
上述のように、このA型肝炎とB型肝炎はひじょうに厄介な病気なのです。
対策して、日本でA型肝炎とB型肝炎のワクチン(予防接種)の接種するのが効果的です。(セブの病院でもワクチンの接種は可能ですが、不足している時期や在庫切れのケースもございます)
ちなみに、私が病院で働いていた時にはほとんどの日系企業の駐在員の方はあらかじめ日本においてA型肝炎・B型肝炎・狂犬病等の予防接種は済ませて来られてました。(ただ、B型肝炎は3回の接種が必要で3回目は1回目から5ヶ月~6ヵ月後となる為、3回目だけセブの病院で予防接種された方は多かったです)
かくいう私は肝炎のワクチン接種はしておりませんので、セブ島での生活時には食べ物と血液感染には徹底的に用心していたのです。
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