昨年WTTC(世界旅行観光ツーリズム協議会)が「デスティネーションの資源管理(Destination Stewardship)」をテーマにウェブセミナー(ウェビナー)を開催したのですが、その際オーバーツーリズム問題として2つの観光地とその対策を紹介したのです。

その観光地とは、半年間の閉鎖期間を終了して訪問客の受け入れを再開するフィリピンのビーチリゾート・ボラカイ島と、「数より質」の戦略のもと、住民や旅行者の意識調査や分析を行ったベルギー・フランドル地方観光局の事例でした。



オーバーツーリズム問題を簡単に言いますと、世界の海外旅行人口の増加(1950年は2500万人に過ぎなかったが、1975年には2億2500万人、2017年は13億人に増加)したことや、過去10年で中国発アウトバウンド市場が140.7%増となるなど、新興国マーケットが大幅に拡大したこと等で、住民と観光客との軋轢が激化や汚染等の問題が各地に広がっていることです

ボラカイ島の問題は、米旅行雑誌「コンデ・ナスタ・トラベラー」のビーチ・ランキングなど取り上げられて注目を集めるようになり、各種マリン・アクティビティ業者や宿泊施設がひしめくようになり、2017年の訪問客数は前年比16%増の200万人以上まで急増したのです。

このうち105万人超が海外客で、その7割を中国と韓国が占めている。(汚染の原因は韓国人だという噂もあります)

同島の2017年の観光収入は同14.8%増の10億ドルまで拡大したが、受け入れに必要なインフラ整備が追い付かず、違法建築やゴミがあふれ、水質が悪化。フィリピン政府は今年4月26日から6か月間、島を一時的に閉鎖する措置に踏み切ったのでした。

さらに、旅行者を乗せたクルーズ船(2000名以上)の乗り入れ規制を実施するそうです。閉鎖期間は2019年4月24日から5月31日、フィリピンの祝日All Saints(諸聖人の日)~All Souls Day(万霊節)にあたる10月26日から11月8日、東南アジア競技大会が開催される11月23日から12月19日まで、年末年始休暇の12月20日から翌年1月5日が規制対象の予定だそうです。



フィリピン政府は、道路、排水管、電力供給、港湾施設の拡張工事、官民の癒着を防止する法律や市民によるモニタリング制度の徹底に取り組んでおります。

一方、フィリピン観光省と民間の旅行・観光業界は、フィリピンの他の島への需要分散やビーチの美化運動を行っているようです。

はたして、以前のような美しい白砂ビーチのボラカイ島に戻すことはできるのでしょうか?


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