5月16日のマニラ新聞とセブ島通信(5月号)に僕の記事(3月19日のセブでのボクシング・イベントについての記事)が掲載されましので、以下ブログにも掲載したく思います

セブから世界へ ~ボクシング・山口賢一選手~


世界ボクシング界のスーパースター・マニー・パッキャオの母国ここフィリピンでは、大人から子供までボクシングに皆夢中になっている。私たちの住むセブも例外ではなく、近郊のタランバンにはアジア有数の名門ALA(アラ)ボクシングジムがある。大きな敷地の中にリング、サンドバックといったボクシングにはお馴染みの設備から、トラック、バスケットコートまで揃っている。そんなジムの中に常時三十人以上のプロボクサーが寄宿し、現世界チャンピオンのニエテスやセブっ子に人気のAJ バナル他約四十五名程のボクサーが在籍している。プロボクサー達の水準は皆高く、デビューしたての新人を含むおそらくはその誰もが、日本ランカー程度なら赤子の手を捻るがごとく倒すであろう。そんな世界有数の人材を輩出するジムが、実はマンダウエの日本人会事務所からトライシクルでたった7ペソ払えば数分で辿り着けることをどれほどの方がご存じだろうか。

 

戦後の高度経済成長と共に発展した日本のボクシングに、年配の方々ならTVを食い入るように見ていた経験がなかろうか。しかし最近は見なくなったという方も多いであろう。実はこれには少しばかりの理由がある。世界ボクシング界の分裂である。現在の主要メジャー4団体になったのはここ20年ばかりの話で、強い者は4つある世界チャンピオンのベルトを手にしてから更に他団体との統一戦を闘い自らの権威は自らで証明するというのが現在のアメリカ流。むろんフィリピンもこの方式である。一方で日本のボクシング界は分裂して価値の落ちた世界王者の称号を、以前と同じように世界一のチャンピオンと称える。更に強豪王者を数多く輩出する新興団体WBOIBFを認めず、政治と金の力で日本市場用世界タイトルや日本人同士の世界タイトルマッチを開催する。当然昔のような本当の世界レベルの試合はなく、日本のボクシング界は世界から隔離されてしまっている。こんな寂しい流れに満足できずタランバンのアラジムと契約したのが、昨年五月に日本ボクシング界を引退した元世界王者の高山勝成選手である。

 

その高山選手に先駆けて日本ボクシング界を引退し、世界での戦いを求めているボクサーが山口賢一選手。これまではオーストラリアを主戦場にしていたが、心機一転高山選手に合流し名門アラジムの戸を叩いた。現在16勝1敗2分、WBOアジア太平洋・スーパーバンタム級チャンピオンである。

 

私は大学時代に体育会ボクシング部に所属していた事と山口が日本で在籍していた大阪帝拳に過去在籍していた事から山口に興味を持ち、試合3週間前から毎週欠かさず山口選手のアラジムでのトレーニングを見に行った。異国で試合を控える山口のトレーニング風景は鬼気迫るほど壮絶なもので、減量中でありながら激しい運動を繰り返すその姿には、名門アラのボクサーですら驚きの目を向けずにはいられなかった。

 

いよいよ試合当日、本来ならば控室で最終調整をする貴重な時間に、山口は自らの意思で会場入り口にて日本の被災者への募金活動をおこなっていた。途中たくさんのフィリピン人達への感謝の気持ちからか、泪をこらえ下をむく一面も・・・。そして試合前に、今回チーフセコンドの高山選手やアラジムのセコンド陣とファイトプランを最終確認。対戦相手のヤップは昨年一回級上の元東洋王者とも互角以上に戦い、スピードが持ち味の強い選手。だが山口に比べてスタミナがなく、前半3ラウンドは捨てても相手のスタミナをそぐ事に集中し、4Rから後半の勝負と、チームの意見は一致した。

山口入場
 山口はトレードマークの忍者コスチュームを纏い入場。会場からは歓声が・・。いよい いよいよ試合開始を告げるゴングが鳴り、リング中央へ待ちわびたように走り出す。ヤップのスピードは想像以上に速く 幾度か左ジャブを被弾。セコンドから「頭を振る」「右ガードをしっかり上げる」との指示が飛ぶ。しかし1Rは終了し、ヤップ優勢。インターバル中、「2R・3R取られても早く相手のスタミナを奪おう」と、かねてからのファイト・プランの確認が入る。案の定、2Rも3Rも形勢は不利だが、徐々にヤップはスタミナをそがれている。

山口
 状況が変わりだしたのは、4Rから。セコンドの、「後ろに下がらず、接近」の声と共に、近距離からの連打が当り徐々に山口のペースなっていく。しかし時折ヤップの鋭い左ジャブや右ストレートも交錯し、激戦模様へ。山口は6R以降再三コーナーにつめて連打を放ちヤップを追い詰めにかかるが、誇り高きフィリピン・ボクサーも容易に詰めさせてはくれない。そして戦いの終わりを告げる乾いた音色がリングに響き渡り、二人の勇者は判定を待つ。「ジャッジ・76対75、77対74、77対74、勝者 山口賢一」山口のセブから世界への挑戦は、今始まったばかりである。

山口判定
 
試合結果 3月19日(土) 契約ウェイトは120lb、対戦相手はマーヨン・ヤップ(フィリピン)、8ラウンド判定勝ち(3-0)


以上が掲載された文章です。山口選手と元世界チャンピオン・高山選手が近々セブ島でトレーニングの為 1カ月滞在しますので、応援宜しくお願い致します(mm)


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